1人飲み女子②
1軒目の居酒屋を出ると、ちょっと駅から離れたレジャービルへ。
次はBarに行ってみよう。
中が伺えないドアに緊張するもゆっくりノブを引くと小気味良い鈴の音とマスターが出迎えてくれた。
中には1組のカップルと1人の女性。
静かだが雰囲気は和気藹々としている。
きっとこの空気感はマスターの雰囲気なんだろうなと思う。
心地良い空気に出迎えられ、他のお客さんとも一言二言交わしながら飲んでいると、
私以外のお客さんが帰り、今度は常連らしきおじさんがやってきた。
「お嬢さん、好きなもの1杯どうぞ」
本当にドラマみたいにこんな紳士なおじさんいるんだと思いながら、
しばらく喋って、おじさんは2杯ほど嗜んで颯爽と帰って行った。
ああ、こういうのが粋な飲み方なんだなと思った夜。
家で彼氏と住んでいた時、ずっと押し付けられていた当たり前のせいで凝り固まっていた心が少しほぐれた気がした。
ああ、私は良い人たちに囲まれている。